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韓国のデジタル・デモクラシー (集英社新書)

韓国のデジタル・デモクラシー (集英社新書)
玄 武岩
韓国のデジタル・デモクラシー (集英社新書)
定価: ¥ 735
販売価格: ¥ 735
人気ランキング: 191502位
おすすめ度:
発売日: 2005-07
発売元: 集英社
発送可能時期: 通常24時間以内に発送

二一世紀のアジア・デモクラシーのゆくえ
…確かに、これまで見てきたように韓国と日本の市民が直面
している課題は異なっている。いまだ中央と地方との葛藤や
差別に悩む韓国の市民は、すべての市民が豊かさを享受でき
るような「平等」な社会を目指さなければならない。それに
対して、中央と地方との葛藤や差別が一応解消され、一定の
豊かさを享受しうるようになった日本では、諸個人の「自由」
に立脚した社会を築いていかねばならない。

しかし異なるからこそ私たちは互いの経験から学び合い、交差
させ、新しい異種混交的なデモクラシーを創造していくことが
できる。それを私は個人の自由に立脚したリベラルな社会主義
の実践であると見なす。こうした二一世紀のアジア発のデモク
ラシーこそポスト近代を象徴する民族や宗教の対立を乗り越え
る人類の文明化への第一歩なのである。(第五部から)


本書、玄武岩著『韓国のデジタル・デモクラシー』の書評は、
以下の構成になっている。

タイトル:二一世紀のアジア・デモクラシーのゆくえ

第一部 韓国の民主化
第二部 「ザ・フェデラリスト」の教訓
第三部 韓国における「ネティズン」の台頭
第四部 沈黙する日本の民主主義
第五部 二一世紀のアジア・デモクラシーへ

「Critical Horizon―文明経済研究所」にて全文掲載しております。
URL→http://d.hatena.ne.jp/andromeda27/20070816/



現代韓国の一断面
韓国人にして東大大学院助手である著者の手になる一冊であるが、結論から言えば実に「韓国っぽい」本である。

それは、著者の政治的立ち位置などの問題ではない。「デモクラシー」「民主(主義)」といった言葉が持つ力が、韓国(的議論のスタイル)でいかに肯定的な前提とされているか。そうした前提から組み上げられる、「民主」をめぐる議論がいかに熱気を帯びるか(これは、与野や左右の別に関係なく通用する)。そのような「空気」を伝えているという意味で、本書は「韓国っぽい」と言え、その点に関してはなかなか悪くない本である。

いっぽうで、最後のほうにある日韓比較の試論(めいたもの)に「ついていけない部分」を読み手が感じるとすれば、それはもしかしたら、書き手と読み手との間の、そうした「空気」の差に由来するのかも知れない。

また、韓国政治の激動ぶりを反映して、ここに書かれている政治情勢はすでに過去のものとなりつつあるが、デジタルデバイスやネット空間と韓国政治との関係は、もはやこの本に書かれている以前の状態に戻ることはない。したがって、現代の韓国政治を観察するための基準線としても、この本は使えるだろう。

デジタル・デモクラシーよりは韓国現代史の本
 本書は『韓国のデジタル・デモクラシー』と題してはいるが、その内容はデジタル技術が韓国の民主主義にどのような影響を与えているかよりは、韓国の民主化の歴史と、盧武鉉政権の誕生、そしてその多難な航跡の過程をインターネット上の言論に注目して書き下した本だ。
 韓国のインターネット言論の問題点である誹謗中傷や感情的な発言(日本でも同じ)や韓国政治の問題点などは、本書ではあまり触れられていないので、韓国のインターネット言論の現状を知るためには、他の資料も必要となろう。
 しかし、韓国現代史、あるいは韓国の民主主義の歴史を知る上では本書は比較的客観的で(盧武鉉政権に対して好意的ではあるが)、資料もしっかりしているので、概説書兼参考書として読む価値はあると思う。親日派の問題が韓国では反日として扱われているのではなく、自分たちの歴史の精算問題としてとらえられているところなど、日本では理解しにくい点にも記述があるので、韓流だけではない、韓国の生の姿を知りたい人にはお勧めだ。

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